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濡蓮(寝蓮)制作委員会~最後の一日(3)

濡蓮(寝蓮)制作委員会。続きからどうぞ。


最後の一日(3) ~寝蓮Ⅱ




参ったな・・・最上さんが起きて探しにくるなんて。男の俺が雨に濡れても大したことないけど女の子がずぶぬれなんて体によくないのに。風邪でもひかなきゃいいが。
第一、居なくなった理由が「夜こっそり飲んでたまってしまった酒瓶を始末するため」だなんて言えるわけないだろう!? 
そういえば、あのゴミ袋、うっかり忘れてあの公園に置きっぱなしだ。最上さんには気付かれなかったかな?
まあ、きっと公園の管理人とかが始末してくれるだろう。殺し屋めいた行為よりは不法投棄の方がマシだし、仕方ないとするか。
眠り姫へこっそりキスする計画は流れてしまったが、こうやって雨を避けるために肩を抱いての帰宅だなんて美味しい行為、この嵐には感謝しなきゃいけないな。これは不幸というのか幸いというのか、最上さんは濡れて感覚が麻痺しているようで足取りが覚束無いようだ。だからこうやって肩を抱いて戻れる。ホテルまで大回りして
時間をかけて。このまま朝まで二人して歩き続けることができたら・・・どんなに幸せだろうか。


色々考えているうちに、結局夜明け前にホテルへ帰宅できてしまった。
バスルームの栓をはめお湯を入れ始めた後に、レディファーストだからと言い、最上さんをバスルームへ直行させ、温かいコーヒーを用意しようとお湯をセットした。

まだ感触がこの手に残っている。
ずぶ濡れとはいえ、さっきまで最上さんを抱いていたコートや服をすんなりと脱いでしまうのが惜しく、濡れたまま立ってお湯の沸くのを待っていた。



「敦賀さん、すみません。お先に使わせていただきました。敦賀さんもそんな格好していないで風邪ひかないうちに脱いでお風呂入ってください。今バスタブにお湯を入れ直してますから。」

「ああ、ありがとう。いただくね。」

バスローブを身にまとった最上さんは、濡れたカツラを外し、雪花という役を離れて素のまま。しかしホテルの香料の入ったボディシャンプーの匂いが普段の制服姿やラブミーつなぎとは違い妙に色香を漂わせる。
その色香に思わず我を忘れて近づいて抱きしめたくなったのだが・・・だが・・・俺の鍛えられた理性が俺の手を、最上さんに触れようとした手を寸前で止めてしまった。習慣って恐ろしい・・・



さすがに暖かいお湯につかると自分の身体が芯から冷えてしまったのだな、と実感する。ゆっくりとお湯につかりながら自分の腕を眺めつつ、先程までずっと抱いていた最上さんの華奢な肩、身体の感覚をずっと覚えていたい、などと少年のような気分でいた。


**********


風呂上りのカイン兄さんは、、、目の前にいる敦賀さんの中には既に存在せず、バスローブ1つ身に付けただけの・・・髪型はしっかり清潔感たっぷりと言うのか、いいえ違うわっ、夜の帝王チックな敦賀さんに戻られていて。

『『困った・・・目のやり場に困る』』

敦賀さんがその時どんな思いで私を見ていたのか知らず、私は敦賀さんの顔をまともに合わせることができず俯き加減でいた。どうしよう・・・。

「もうすぐ朝になってしまうから少しでも寝た方が良い。」

敦賀さんの一言で現実に引き戻され、そ、そうですね、と慌てて返事をして直ぐに自分のベッドに潜り込んだ。

「敦賀さん、おやすみなさいっ!」

「・・・おやすみ、最上さん。」

少し経って布団の外から聞こえてきた敦賀さんの声はとてつもなく優しい声で、それでいて身体の芯がぞくりとするような艶を含んでいて。暫くの間その余韻が残って・・・目が冴えわたってしまった。

あーっ、雪花が憑いていた今までは気にしなかったのに、最上キョーコに戻った途端、敦賀さんを意識してしまうのは何故!?代マネの時だって敦賀さんと一つ屋根の下で寝たことあるじゃない!でも、あんな優しい声、まるでダークムーンの演技練習で味わった美月役に対する優しさみたいな?まったくもうっ、敦賀さんったら、変なところでフェミニスト過ぎるのよっ!私じゃなかったら自分を好きだのだと勘違いする女の人が続出するわよ!?もうっ!ねれん!!!眠れん!!!つるがれんのバカーッ!
何とかして寝なきゃいけないのに。確か12時位に眠って2時過ぎに起きたわよね、だから睡眠時間は今のところ2時間。あと3時間、いえ、せめて2時間は寝ないと。確かモー子さんが言っていたっけ。睡眠不足はお肌が荒れる原因だから早寝早起きが大事だって。まずーい!

でも焦れば焦るほど頭の中に色々な出来事が。今までのヒール兄妹としての活動や日常生活が蘇ってきて。楽しかった思い出や心配したこと等を思い出し、どんどん時間が経過していた。


「・・・セツ・・・セツ・・・」

何?カイン兄さん?


聞きなれた声が耳に入り、ごそごそ布団から顔を出してみると。
敦賀さんは珍しく毛布に潜らず顔と腕を出して眠っている。夢でも見ているね。さすが一流の俳優というものは役に入り込むと夢の中でも役をそのまま引き摺っているのかも・・・す、凄いわ!見習わなければ!

「行かないでくれ!セツ!」

悪い夢を見てるのだろうか、敦賀さんは汗を掻きながら辛そうな顔をしていた。
悪い夢なら起こした方がいいのだろうか。でもあまり寝てないのだし起こしてしまうのも良くないかも。

「カイン兄さん。雪花はここにいるわよ。ずっと兄さんの傍にいるから大丈夫よ。」

敦賀さんの手を握り耳元でそっと囁いた。夢の中のカイン兄さんに伝わればいいな、と思いながら。
すると、敦賀さんはほっとしたようで、安らかな表情に変化した。

よかった・・・

と安心したのも束の間。いつの間にか反対側の手で頭が引き寄せられ。

「セツ、お前だけを愛しているよ」

は?何と仰いました・・・?

何を言われたのか、何をされたのか分からないうちに。
気付いた時には仰向けで眠っている状態の敦賀さんに私の唇を奪われ口腔内を侵され。
第三者がそこに居合わせたら、きっと私が寝込みの敦賀さんを襲っているように見えたのだろうけど、私にはそんな余裕は当然なかった。ショータローにチョコで騙されたあの事件とは全く違い、敦賀さんのソレは、チョコは無いのにとても甘くて官能的で、抵抗するという発想が不思議と思い浮かばなかった。とにかく逃げるだけの気力が湧いてこないのだもの。左手は敦賀さんの右手に重なり一定の間隔で強く握られたり緩められたり。何でこんなことされるのかしら?と思いつつ、次第に頭は朦朧とし、体の芯は燃えるように熱くなり、私の口の中で絡んでくる敦賀さんの舌は妙に心地良く。最初は戸惑い逃げていた私の舌も次第に重なり合い、一緒に戯れ。いつの間にか私の体は敦賀さんの上に重なり背中を撫でられていて、その熱い手に酔わされてしまったのだろうか、最後は全身がゾクゾクしてあまりの快感に指の末端までが震え、頭は真っ白で・・・どうなったのか記憶が無い。


「セツ・・・ありがとう・・・」


どのくらい時間が経過したのか分からないが、気付いた時には解放されていて。
カイン兄さんは?と思い顔を見上げると。

それはもう極上の笑顔で?・・・すやすやと眠っていた。

えーっ、ちょっと待って下さい、今のキスは何!?寝ぼけてたの!?
だって、あんな長い間、しかも力強く私を抱きしめたまま口の中に、その、あの、敦賀さんの舌が。ああ、思い出すだけも恥ずかしいけど。私の舌に絡んできて、もぞもぞと動き回って。いやーっ、言葉にするのも恥ずかしい!しかもこの体勢は何?私が敦賀さんを襲ったとしか思えない、こんな体が密着して敦賀さんの腰のあたりにお尻がドンと乗っかっていて・・・体の芯が何か熱いしお尻がもぞもぞするんですけど!?っていうか、パンティが濡れてる気がするのは気のせい?・・・じゃない!?・・・いやだ、もしかして私、うとうと居眠りしてる間にお漏らししちゃったの!?うわーん、情けない!

下どうなっているの?と恐々確認すると、敦賀さんのあたりは・・・毛布がかかっていたけど・・・やっぱりかなり濡れていた・・・嗚呼ごめんなさい、敦賀さん・・・。片付けなきゃ。

私は毛布をそっとどけて自分の毛布と交換し、汚れた毛布はその部分を隠すようにたたんで私のベッドへ置いた。
(ごめんなさい、清掃係さん・・・。今日がチェックアウトじゃなかったら洗濯機で洗濯するんだけど、今やると敦賀さんが起きてしまうかもしれないし、乾かす時間も無いし。仕方ないわ。)

自分の汚れたパンティだけ洗濯し、普段着に取替えてベッドへ戻ってくると、敦賀さんはすやすや眠っていたので安心した。・・・でも・・・

あの、私、どうすればいいんでしょう、敦賀さん?
今のはカイン兄さんだったの?雪花として受け取っておけばいいの?でも実の兄妹であんな激しいキスってするものなの?まあ、日系とはいえ、イギリス人よね、私達。お国によっては兄妹の口づけってあリ得るのかしら?

その後の私は結局一睡も出来ず、ベッドの脇でちょこんと正座したまま、敦賀さんの唇を、いえいえっ、幸せそうな寝顔を眺めたまま朝を迎えてしまった。




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